絵を描いたり、キーホルダーやアクセサリーを作ったりすることが好きな人の中には、同人活動を行なっている人も多いのではないでしょうか。同人活動とは、自分が描いた絵や漫画、作った小説、ゲームやグッズなどをSNSで発信する、即売会で頒布するといった行為を指します。
Twitterやイラストコミュニケーションサービス「Pixiv」などには毎日たくさんの同人作品が掲載されています。また日本の各地で様々な同人イベント・即売会が行われるようになりました。
しかし、こういった即売会やイベントで悩ましいのが販売するときの値段です。「同人グッズの価格設定ができない」「価格設定の目安が知りたい」といった人向けに、今回は、同人グッズの値段の設定方法を紹介していきます。
目次
同人グッズの値段を設定するにはどうすれば良いか
同人グッズの材料費や配布する量、グッズの種類から考える
同人グッズの値段を考える上で重要なのが、グッズの製作費や配布する量、種類です。
グッズの製作費とは、同人グッズを制作する際に発生する費用のことを指します。
ハンドメイドで製作する場合は、製作費は必要な材料費のみですが、印刷会社や製作会社に依頼して同人グッズを製作する場合は、その依頼費用や手数料が同人グッズの製作費に当たります。
どのように同人グッズを製作するかの目処がついたら、配布する量を考えます。配布量を考える際は即売会の規模や自分のサークルの知名度や同人グッズ自体の完成度なども含めて、「現実的にどれくらいの量が販売できそうか」を考えていきます。
また、グッズの種類も値段設定に関係していきます。例えば、キーホルダー類とアクセサリー類は、相場や製作費も違うので、その辺の要素も配布量や値段設定に反映させる必要があります。また、キーホルダー類の中でも、ラバーストラップとアクリルキーホルダーでは、相場や製作費が大きく変化します。同じカテゴリーの同人グッズといっても大きく値段が変わる場合があるので注意が必要です。
このように、同人グッズの種類や製作費の総額、配布する量の兼ね合いが、同人グッズの値段設定では重要になります。
人気の同人グッズを見る
同人グッズの頒布はほとんどが赤字
同人活動を行う上でよく言われているのが、「即売会やイベントでの同人活動はほとんどが赤字になってしまっている」ということです。これは一体どのようなことなのでしょうか。
同人活動で即売会やイベントに参加する場合、同人グッズや同人誌の製作費以外にも様々な費用が発生しています。費用の例としては、即売会やイベントの参加費、会場までの交通費、頒布物などを宅配便で送る際の郵送費などが挙げられます。これらの費用を考えないで値段設定を行ってしまうと、同人活動で得られる利益よりも、支出の方が多くなってしまい、赤字に陥ってしまいます。
赤字でも多くの人に自分の作品を見てもらえたから満足している、と考える人もいるかもしれませんが、実際、赤字になってしまうことで同人活動が続けられないといったデメリットも発生します。今後のことも考えるとできるだけ赤字は避けるようにした方がよいでしょう。
同人グッズの基本の値段設定
では、同人グッズの基本の値段設定とはどのようなものなのでしょうか。
同人グッズは頒布するといっても、無料頒布というわけではありません。作るからにはある程度の利益も考えないと、今度の同人活動にも影響が出てしまいます。そのため、同人グッズの値段を決める上でもう一つ重要なのが、どのくらいの利益出したいかです。
「せめて参加費だけは同人グッズの売り上げで補えるようにしたい」「交通費は同人グッズの利益で出せるようにしたい」など、求める利益は人それぞれでしょう。
ですので、以下の公式に当てはめると値段設定がしやすいので参考にしてみてください。
『同人誌や同人グッズの値段=(製作費用+頒布で得たい利益)÷頒布数+α』
同人グッズの頒布で獲得したい利益をあらかじめ決めておき、製作費用と利益を足して頒布量で割って一個あたりの値段を設定します。同人グッズや同人誌の場合、支払い時の手間をなくすためにもキリの良い数字が好まれます。そのため、+αでキリの良い数字に繰り上げるようにしましょう。
では実際にどのように値段を設定していくか、みていきます。
例)
アクリルキーホルダー横40×縦40mm(https://www.monoproland.com/product.php?id=6
)を50個制作する場合
頒布数・・・50個
製作費・・・15,660円
利益・・・・およそ3,000円
アクリルキーホルダー1個あたりの値段
=(15,660+3,000)÷50
=373.2円
この場合、小数点以下を切り捨てると373円になりますが、73円という中途半端な数字なので、支払う側も頒布する側もちょっと手間になってしまいます。
支払いを楽に行える、キリがいい数字にするため、この場合は+127円して、アクリルキーホルダーの値段は500円にしましょう。500円という値段は相場と比べても大きく外れていないので、ちょうど良い値段と言えます。
同人グッズ別の値段設定の目安
先ほど値段設定の例で「相場」という音葉が出てきました。基本は利益や制作費用などから計算して値段を設定しますが、あまりにも相場よりも設定した値段が高すぎてしまうと売れずに、在庫が余ってしまうこともあります。
そのため、同人グッズの相場を知っておくことも大切です。
ストラップやキーホルダーの相場とは
ストラップやキーホルダーといっても様々な種類があります。一番お手軽に製作できるのが、アクリルキーホルダーです。このアクリルキーホルダーの相場はだいたい300〜500円と言われています。アクリルキーホルダーよりも少し相場が高くなるのがラバーストラップです。
ラバーストラップの場合は500〜600円が相場になっています。また、リフレクターキーホルダーやジョイントアクリルキーホルダーの場合。製作単価はアクリルキーホルダーに対して高くなりますが、実際は400〜500円が相場になっているので、制作する際は利益計算などに注意するようにしましょう。
モノプロランド:ストラップ・キーホルダーはこちら
日用品・ステーショナリー系
日用品・ステーショナリー系にはボールペンやメモ帳、定規などがあります。
まずボールペンは200円〜300円が相場になっています。相場としては、アクリルキーホルダーよりも低めですが、使う機会が多い分よりたくさん販売できることも可能な便利なグッズになっています。メモ帳や定規なども同様です。
モノプロランド:日用品はこちら
ケース・カバー系
小物系にはパスケースやカードケースなどが挙げられます。通勤、通学といった日常生活にも使えるのでとても便利です。パスケースの場合、大きさにもよるので、400円〜1000円が相場になっています。
一方で、カードケースは製作費がかかるため500円〜1000円が相場です。
モノプロランド:ケース・カバーはこちら
まとめ
同人グッズを即売会やイベントで頒布するときには適切な値段設定が必須になります。値段設定を行う場合は
①製作費
②頒布数
③利益
④相場
の4つを考えながら決定する必要があります。
値段を設定をするときは
『同人誌や同人グッズの値段=(製作費用+頒布で得たい利益)÷頒布数+α』
に当てはめると楽に設定することができます。また利益や相場を考慮するだけでなく、支払いやすいように、+αでキリの良い数字にすることも大切です。
ぜひ値段を決めるのに困っている方は試してみてはいかがでしょうか。