販売促進活動やブランディングのためにグッズ制作をする企業が増えています。
社外で配るノベルティグッズや粗品以外にも、企業の周年記念やパーティーで製作される記念品やオリジナルグッズを制作している企業もあり、今や様々な企業が独自のデザイングッズを作成しています。また、同人活動を通して同人グッズを製作して、販売している方もいるでしょう。
ノベルティグッズやオリジナルグッズ、同人グッズといったグッズ製作をする上で、欠かせない工程が「印刷会社やグッズ製作会社へのデザインの入稿」です。この入稿作業がうまくいっていないと、グッズが期日どおりに仕上がらなくなってしまったり、デザイン通りにグッズが製作できない、といったトラブルが起こってしまいます。
では、正しい入稿をするためにはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
今回はノベルティグッズやオリジナルグッズのデザインを考案する企業の担当者、また同人グッズを製作する同人出展者向けに正しい入稿データの作り方を紹介します。
目次
グッズ製作の入稿データとは?
入稿データとは、簡単にいうと『印刷会社やグッズの製作会社へ渡すグッズ製作における指示書のこと』を指します。具体的にはIllustratorやPhotoshopといったツールを使用して作成され、主にグッズの色やフォント、デザインを指定します。印刷会社やグッズの製作会社は、入稿データに沿ってグッズを製作するので入稿データはきちんと手順を踏んで作成する必要があります。
入稿データの基本的な作り方
ここでは「モノプロランド」で採用されているIllustratorを使用した基本的な入稿デザインの作り方を解説します。
入稿データは、
①グッズのデザインを作成する
②製作するグッズのテンプレートデータをダウンロード
③テンプレートに製作したデザインを当てはめる
④印刷可能部分からはみ出た部分にクリッピングマスクをかける
⑤デザインを当てはめたら不要なレイヤーを削除する
⑥名前をつけてEPSデータかPSDデータで保存する
の6つの手順に沿って作成されるので、順番に解説していきます。
①グッズのデザインを作成する
自分でデザインしたイラストや企業のロゴをノベルティグッズやオリジナルグッズに反映させるには、まずそのデザイン案を作成する必要があります。
IllustratorやPhotoshop、その他デザインツールを使ってお気に入りの1品を作成しましょう。
デザインを作成する際、著作権法に引っかかってしまうものや他社デザインを真似たものにならないよう注意が必要です。
②製作するグッズのテンプレートデータをダウンロード
デザインが完成したら、製作するグッズの商品ページからテンプレートデータをダウンロードします。テンプレートデータはzipファイルでダウンロードされるので、解凍して開いてください。
③テンプレートに製作したデザインを当てはめる
ダウンロードしたグッズのテンプレートにデザインを当てはめていきます。
まず、テンプレートデザインの「デザイン」というレイヤーを選択します。
この「デザイン」レイヤーにはロックが掛かっているので、鍵穴のマークをクリックしてロックを解除してください。その後、Photoshopやデザインツールで作成したデザイン画像を入れます。
④印刷可能部分からはみ出た部分にクリッピングマスクをかける
作成したデザインによっては端の部分がはみ出してしまうこともあるでしょう。その際、無理に拡大や縮小を行うのではなく、はみ出した部分にのみ、クリッピングマスクをかけましょう。
クリッピングマスクとは、簡単にいうと「画像の切り抜き」です。
クリッピングマスクをかけるには、自分がデザインデータのグッズとして使いたい部分にくり抜きたい形(ここではグッズのテンプレートデザイン)を重ねます。
自分が作成したデザインデータとテンプレートデザインを一緒に選択し、
タブのオブジェクト>クリップングマスク>作成でデザインを切り抜き出します。
⑤デザインを当てはめたら不要なレイヤーを削除する
テンプレートデータには、データの入稿方法を解説した説明レイヤーが組み込まれています。このデータは入稿データには必要ないので削除するようにしましょう。
⑥名前をつけてEPSデータまたはPSDデータで保存する
データが完成したら、名前をつけて保存をしますが、保存の際EPSデータかPSDデータ
で保存するようにしましょう。
指定の形式で保存されていないと、データ入稿が完了しない場合があるので、保存の際は注意しましょう。
いきなりEPSデータかPSDデータで保存するのが不安な場合は、最初にIllustratorの形式で保存し、ファイルを複製してそちらをEPSデータかPSDデータで保存すると良いでしょう。保存が完了したら、実際に入稿画面でファイルをアップロードします。
入稿データを作成する際の注意点
入稿データを作成する際にはいくつか注意点があるので紹介します。
IllustratorやPhotoshopのバージョンを確認する
IllustratorやPhotoshopのバージョンが古すぎる場合、フォントやデザインがうまく反映されないことがあります。そのため、デザインを作成する前に自分が使っているのでどのバージョンを自分が使っているのか確認するようにしましょう。
IllustratorのカラーモードがCMYKになっているか確認
入稿データを作る際は、カラーモードをCMYKに変更してから作成しましょう。
カラーモードをが正しく設定されていない場合、色味がずれてしまうこともあるので、あらかじめCMYKでデザインを作成しておくと良いでしょう。
データの画像がきちんと配置されているか
入稿データに画像が含まれている場合、「リンク」と「埋め込み」の2種類があります。「リンク」の場合画像の保存元のデータがない場合、画像が表示されなくなってしまいます。入稿データでは画像を「埋め込み」形式にして入稿するようにしましょう。
不要なオブジェクトがないか
切り抜きやコピーなどで、余計なオブジェクトを製作してしまった場合は、全部削除するようにしましょう。見えていない不要なオブジェクトや透過されているオブジェクトをそのまま残して入稿してしまいますと、デザインに不備が生じてしまうこともあります。入稿前にはオブジェクトを全部チェックして不要なものを消去します。
画像の解像度が適切かどうか
画像をデザインに埋め込む際、画像の解像度が適切でないと、画像の部分が荒くなってしまうことがあります。デザインに適切な画像の解像度は、300dpi~350dpiです。デザインに反映させる前に、解像度が適切ではない場合は変更しましょう。
まとめ
入稿データはいわゆる印刷会社やグッズの製作会社へ渡すグッズ製作における指示書なので、印刷会社やグッズの製作会社の人がスムーズに製作できるよう、手順に沿って入稿データを作成しましょう。
入稿データは簡単に
①グッズのデザインを作成する
②製作するグッズのテンプレートデータをダウンロード
③テンプレートに製作したデザインを当てはめる
④印刷可能部分からはみ出た部分にクリッピングマスクをかける
⑤デザインを当てはめたら不要なレイヤーを削除する
⑥名前をつけてEPSデータかPSDデータで保存する
の6つの手順に沿って作成します。
入稿データを作成する時の注意点には、
●IllustratorやPhotoshopのバージョンが使えるものかどうか
●IllustratorのカラーモードがCMYKになっているかどうか
●データの画像がきちんと配置されているか
●不要なオブジェクトがないか
●画像の解像度が適切かどうか
の5つをチェックして正しく入稿できるようにしましょう。